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「弓月さん」 予習をしていたら、不意に名前を呼ばれた。 私は反射的に声のした方向に顔を向けた。 あ。口から音にならない限界で空気がもれる。 予想外の衝撃が私に走った。 顔を向けた方向には一理の顔があった。 それも驚くほど近い位置に。 全く予期していなかったからあまりの驚きに、瞬間的に私の体温がほんの少し上がった。  一理のキレイで冷たい印象の目。それが、すごく近くで私をみつめている。
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