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入口脇の階段下に目立たぬ様に自転車を押し込むと、念入りにチェーンの掛かり具合いを確認した。
「ふむ…これで大丈夫。安心」
例え鍵が掛かっていようとも、これぐらいの大きさの自転車
など、小学生でも担いでいける…などとは気にしない。
叔母の住まいは、マンションと言っても、エントランスなどというシャレたものはない。
エレベーターすらないので、
階段を三階まで一段飛ばしに
一気に駆け上がって行った。
三階の通路を半ほどまで進んだ所でドアの呼鈴を押すと…、
奥からドスドスという音が聞こえてきた。
『相変わらずだな…』
思わず苦笑する私には気付かぬまま、叔母がドアを開けた。
懐かしい顔を少し和ませると、「なに…
ここまで自転車で来たの?」招き入れつつ、ちょっとした
驚きを混じえながら訊いた。
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