2492人が本棚に入れています
本棚に追加
/860ページ
……だって、だって……あの人のこと思い出したくないのに、無意識に名前が出るんだもん……
……なんかさ、関係が悪化してから四六時中先輩のことを考えてるって……そういう事実が悔しいんだよね。
ありえない……絶対ないんだけど、これじゃぁ、私が先輩のこと好きみたいじゃんか。いや、ホント、それはないんだけど……
……うん、ないな……。
「あ……えっと……髪の美容液ってどういうの?」
「え、と……洗い流さなくていいタイプでね、油っぽくないし、さわり心地がサラサラして使用前と使用後じゃ全然違うんだよ」
「……そんなのがあるんだぁ」
「今度、学校に持って来ようか? ミノっちも試しに使ってみる?」
「え……いいの?」
「もちろん」
「あ、ありがとう……」
かーっわいいな、ミノっち! この素朴さに何度癒されたことか! 空気も読めるし、女心も分かってくれるし、男の子なのに守ってあげたくなっちゃうなんて! 母性本能以上の何かがくすぐられる!
「はい、飴、あげるー」
「え?」
「まず俺によこせよ」
「いーくーとー」
相変わらずC組は落ち着く。
このままミノっちに膝枕してもらったらサイコーの寝心地なんだけど……さすがに教室……人の目が気になる。
最初のコメントを投稿しよう!