プロローグ

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女の子と会っている時、電話やメールを無視するのはいつものこと……だけど、たった1人で亮を待つ間、ずっと考えてた。 もしも私が事故に遭っても、もしも私が高熱にうなされていても……きっと亮は何も知らず他の女の子と遊んでるんだって…… そしたら、今まで堪えていたものが堪えきれなくなって……目を瞑っていたものを許せなくなった。 待ち合わせ場所から、その足で亮のアパートに向かう。 一人暮らしの亮。何度か食事を作りに行き、合鍵は受け取っていた。それを使って部屋に入ると、玄関には女物の靴。その隣には平均より大きい亮の靴。……少しは予想、していたけどね。 どうして記念日に……どうして、よりによって今日も…… 他の女の子を抱いてるの? 他の女の子に「愛してる」だなんて言うの? 優しい声で他の子の名前、呼ばないでよ…… 「……弥生……お前が1番だ……」 「……アンッ……亮……愛してる……」 「……あぁ、俺も愛してる」 「……」 私は亮の“特別”? 亮は私のもの……? ……違う。亮は随分と前から女子みんなのものだった――……
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