女王様のピンチ

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「午後の授業、サボんなよー」 「おー」 なんの保証もないけど。 寝る場所探しにC組を出た。A組は落ち着ける環境じゃない上、人の出入りが激しい。いつ「久家っち、練習!」て大間先輩が駆け込んでくるか、「もう、せんぱーい!」て、箕輪さんが昨日の文句を言いに来るか分からない。 騒がしいのに捕まったら、私のお昼寝タイム終了ー。この眠気を引きずったまま、午後の授業、放課後の演劇練習に突入しなきゃならない…………無理だな、寝るな。 最近マイブームな蒟蒻ゼリー片手に空き教室探し。田舎の学校だけあって敷地面積は広く、無駄に教室数があると思う。 狙いは人通りが少なく、昼間でも暗い実習棟1階。科学室、科学準備室、第二科学室、第二科学準備室……人体模型と一緒に寝る勇気はないから…………よし、木工室に決定! 「……お願いだから、誰もいませんよー……」 『……やっ……やめっ!!』 「……に?」 ダメだ、先客いるよ。 扉に伸ばした手を引っ込め、人体模型が待ち構えている科学準備室に回れ右。 仕方ない……1人で昼休みを過ごすより、人っぽい人形と過ごした方が寂しくないと開き直ってみるかー…… ――ガラッ 「おー、むじーん」 寝れ 『……だ、誰かっ!!』 『騒ぐな……ッ……人が来て困るのはそっちだろ!?』 「……」 ……なさそー……
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