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「……んっ……」
「……」
「……急に態度変えたのはあっちだもん……先輩……先輩、私が寮を出てから佐倉さんとばかり話して……っ……私のことは怒ってばかり……っ……」
「……史絵」
「……佐倉さんと話す時と態度が違うもん……っ……同じ『シエ』なのに……先輩……先輩も、やっぱ、り……っ……佐倉さんの方が、可愛い、んだって……思って……っ……私のことなんてっ、見てもくれない……っ……」
「……久家っち……」
「……さみしっ……かったよ……寂しいよ……っ……ああぁっ、ユキーッ!! うああぁぁんっ!!」
「……俺の名前を叫んで、泣き叫ぶな」
ここには水野も、元カレもいるのに、迷わず俺に手を差し伸べてきた久家川。
コイツは知ってるんだ。この2人にはもう、甘えられないってこと。
それから改めて“幼馴染み”の俺に助けを求めてること。
昔からコイツはホントに……泣き虫なクセに甘え上手だから困る。
「……ったく……仕方ねぇから今回は手を貸す。俺が先輩と仲直りさせてやるから、辛気臭い顔するな、らしくない」
「……グスッ…」
「包帯も外せ。素顔を見せろ。当たって砕けたら、俺が合コンセッティングしてやるよ」
「……砕けたくないぃっ……」
「なら、笑え。そんな顔で先輩に会いに行ったら、間違いなく砕ける」
「うっ……うひっ!」
「わーかわいーかお」
「……」
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