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一歩後ろに退く久家川……雰囲気は大分変わってしまったが、何故かその口から俺を責める言葉が出てこない……
守ってやれなかったんだ……今まで散々無視してきたんだ……責められて当然なのに……
｢……久家川……今回のことは｣
｢……謝らないでくださいね？｣
｢……｣
｢……先輩は何も悪くないから……絶対に謝らないでください。先輩、無駄に責任感強いんだもん。こっちが息苦しくなっちゃうよ｣
｢無駄とはなんだ！ こっちは心配してッ――……｣
――ﾋﾞｸｯ
｢……｣
｢……っ……ごめんなさい……｣
何故、俺が謝ってはいけず、お前が謝るんだ――……
一瞬、久家川が俺に怯えた……上体が傾き、更に俺から２歩、離れる……
そんなに怯えているのに、何故、俺に会いに来た……
お前が２度と俺に会いたくなかったのなら、義理堅く別れの挨拶なんてしに来なくても良かったのに――……
｢……あ……あの……｣
｢……｣
｢……じゃあ……少しでも責任感じているのなら……今日１日……付き合ってくれませんか？｣
｢……え……｣
｢先輩……私とデート……してください……っ……｣
｢デ……｣
な、何故、そういうことになるのか……意図が分からん！！
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