月影学園

4/20
前へ
/860ページ
次へ
寮の入り口に立って驚いた。監視カメラがついてる。やっぱり初めはインターホンで寮母さんを呼ぶのかな? 寮母さん……どんな人だろ。 ――ビーッ 『はい?』 「……」 ……あれ? 『どちら様ですか?』 「あ、あの……今日からこちらでお世話になる久家川史絵と申しますが……」 『あー、はいはい、今、開けますね』 ロックが解除された音。ドアノブが回される音。次に現れたのは…… 「ようこそ、我が家へ!」 ……やっぱり。男の人だ。しかも、デカイ。 紺色のエプロンをつけて現れた男性は、用務員さん……とか? 管理人さん……とか? えっと……男子寮ではないよね……? 「……んー?」 「ふふ、はじめまして。寮母の神谷勘九郎です」 「……寮…母……男性だったんですか?」 「そ。掃除、洗濯、料理。家事全般得意だから任せて。って……ふふ、男じゃ不安かな?」 「と、とんでもないです! 寮生活に不安があったので……頼もしい……かな?」 「うん、頼りにしちゃって。ここじゃぁ、寮生の親代わりだからね、遠慮しないで甘えてね」 「……ハハ……親……」
/860ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2496人が本棚に入れています
本棚に追加