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寮の入り口に立って驚いた。監視カメラがついてる。やっぱり初めはインターホンで寮母さんを呼ぶのかな? 寮母さん……どんな人だろ。
――ビーッ
『はい?』
「……」
……あれ?
『どちら様ですか?』
「あ、あの……今日からこちらでお世話になる久家川史絵と申しますが……」
『あー、はいはい、今、開けますね』
ロックが解除された音。ドアノブが回される音。次に現れたのは……
「ようこそ、我が家へ!」
……やっぱり。男の人だ。しかも、デカイ。
紺色のエプロンをつけて現れた男性は、用務員さん……とか? 管理人さん……とか? えっと……男子寮ではないよね……?
「……んー?」
「ふふ、はじめまして。寮母の神谷勘九郎です」
「……寮…母……男性だったんですか?」
「そ。掃除、洗濯、料理。家事全般得意だから任せて。って……ふふ、男じゃ不安かな?」
「と、とんでもないです! 寮生活に不安があったので……頼もしい……かな?」
「うん、頼りにしちゃって。ここじゃぁ、寮生の親代わりだからね、遠慮しないで甘えてね」
「……ハハ……親……」
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