深淵のような

2/2
前へ
/80ページ
次へ
暗い   冷たい   何も見えない   今歩くのは暗い道   であるはず   暗過ぎて 何も見えない   嗚呼 辛い   きゅ と首を絞める   苦しい筈なのに   不思議と心地良い   一匹の蝶 ひらりヒラリ   眩しい光を振り撒いて   僕の目の前飛んで行く   昔 誰かが言っていた   私が夢で見た蝶は   確かに私の夢だったが   今の私は蝶の夢で   私は本当は蝶なのかもしれない と   今 私は暗闇をさ迷う夢を見ている   もしかしたら 私は人間ではなく   闇になったのかもしれない   何故だろう   心の何処かで   そうであってほしいと願っている自分が居る   逃げ出せ 人の闇   捕まえろ 闇の私   私は今だ 闇の中
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加