山形・四日目

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「またフキ子さんが、でっちりけー、でっちりけーってご飯いっぱい出してくれるかな」  あたしが笑いながら言うと、彼に 「お前、山形来て太ったぞ」 と言われてしまった。 「う…」  実は、あたしもそんな気がしていたのだ。  フキ子さんが作るご飯は美味しいし、あたしがマレビトだからなのか、いつもすごいご馳走である。  ついつい食べ過ぎてしまう自覚はあった。 「いいのよ、山形から帰ったら少し甘いもの控えるから!」 「そう言って、どうせプリンとか食うんだろ」 「しゃがましーよ!」  そんな言い合いをしながら、あたし達は階下へと降りた。  すると、予測通り 「さぁ、でっちりけー、でっちりけー」 とフキ子さんが、ご馳走を用意して待っている所である。 (太っちゃうかなぁ) と思いながらも、あたしはプーがご飯を食べるのを見るのが、結構好きだった。  普段もそうだが、山形に来てからも、プーは食事をとても綺麗に食べるし、残さない。  それも、おじいさんとの生活があったからだと思うと、その日の食事はなおさら楽しく感じられて、結局あたしはまた食べ過ぎてしまったのである。  山形に来て、四日目。  その晩、あたしは何の不安もなく熟睡した。
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