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気持が幾つも揺れ動いてる。 ユウさんも今すぐ結論を出す必要はないといってくれた。ぎりぎりまで二人で考えて選択しようとも。
ただどんな結論が出たとしても、私に対する想いは変わらないと真剣に語ってくれた。
私はユウさんの手を握り締めながら、滲んでくる涙が愛しさに変わっていくのを感じていた。
彼の優しさに包まれながら心を吹き抜けていく涼風が心地よくて時の流れていくのを忘れてしまいそうだった。
風になりたいと言った叔父は、四十代始めに亡くなった。
なれたんだろうか、叔父は風に。
これから歩いて行く道は、険しい山道なのかもしれない。嵐のような風が吹くかもしれない。未来は解らない。
風の行方は、愛の行方を見定めつつ何処へか流れていくのだろう。そしていつかは私も風になるのかも知れない。
風になりたい
どこまでも 果てなく吹き抜ける
風になりたい
喜びも 悲しみも
抱きかかえながら
悠久より旅を続けてきた
無限の風に なりたい
完 風人
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