第1章 ザムツ戦争開戦

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 午後3時  エルゲート大統領府外務部会見 「本日午前、我がエルゲートが海を挟んで向かい側にあるローレンヴァニアの攻撃を受け、ファーニナル岬航空隊はわずかながらに被害を受けた、この戦死者には深く冥福を祈る所存です。また、我が国に対するローレンヴァニアの領空侵犯、武力行史に強く憤りを感じ、また遺憾の意を表する。直ちに釈明を受けたい。…」  空母ソリテュード  ラジオの向こうで外務部部長がローレンヴァニアに非難をしていた。 「こっちは死人が出てんだぞ…?非難だけか?」  こう言うのはブルー隊1番機の笹井剣(ササイ ツルギ)、あの空戦の真っ只中にいたという事もあって、国の姿勢を不満に思っていた。 「しかも、わずかながらの被害じゃね~、ファーニナル主力は壊滅的被害…」  ブルー隊2番機の岩本功矛(イワモト イサム)も文句を言っている。 「まあまあ、大国どうし変に動けないよ」  ブルー隊3番機の菅野楯(スガノ ジュン)は2人をなだめる。 「しかしな~…」  ウーゥ ウーゥ ウーゥ…  岩本が更に文句を言おうとすると、艦内サイレンが鳴りだした。何事か!と、アワアワしていると。 《――軍部から緊急連絡、ローレンヴァニアが軍港ホーリーソイルに空襲をしている、ブルー隊は至急発艦急げ!》  艦内は騒然とした。 「何で今!?さっきエルゲートが非難したばっかなのに」  岩本は情況が読めていないようだ。 「宣戦布告無しの攻撃とは…なんて国だ」  笹井は情況が飲み込めているものの、まだ行動が遅れていた。 「二人共早く行くよ!」  二人に比べ冷製な菅野が笹井、岩本を若干強めの声で呼ぶ。 「ああ…」「今行く」 《ブルー隊、準備完了》 《カタパルト準備OK!》 《ブルー隊、発艦準備!》 《カタパルト固定よし!》 《圧力上昇70、80、90、カタパルト異常なし》 《ブルー隊発艦!》  3機の青い機体が戦場へ向かって行った。
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