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昔から、ボクは人と馴染むのが苦手だった。
誰かと話をしていてもどこかズレている。
みんなは、腹を抱えて笑ったいるのに自分は何一つ面白くない。
だから、出来るだけ人と関わらず一人で本を読んだりして過ごしていた。
中学に入学したときも、このままの生き方を続けていくと決めていた。しかし、それは叶わなかった。
人は集まり、群れをなす。団結し、大きくなる。強くなる。
そして、"異端"のものをこれでもかってくらいに否定する。排除する。消し去る。
中学の時、ボクはイジメにあった。
ボクは、何もしていない。ただ、一人で居ただけ。
それが、彼らは気にいらなかったらしい。
最初は、クラスの人がボクを避けている…そう感じた。
次に、持ち物が隠され始めた。筆箱、教科書、カバン、上靴…。
それでも、ボクは何の文句も、先生への告げ口も、弱音も吐かなかった。ただ、我慢した。
しだいに、エスカレートしていくイジメ。
クスクスと笑う声、ジロジロと見る視線。死ねと書かれたノート。花の生けられた机。
ボクは、耐えきれず逃げ出した。
そして、殻にこもった。
あれ以来、人の視線が恐い。話し声が恐い。
また、生きていることを否定されそうで…コワイ…。
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