一瞬の幸福

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イケメンリーマンのお兄ちゃんの体と、触れ合う心地よさ。 肉体接触とは、こんなにも気持ちの良いことだったのですか。 イケメンリーマンのお兄ちゃんは、醜く肥え太った私の体を、鬱陶しそうに嫌がる事もなく、体が触れあう事をただ、許してくださいました。 劇的に女性ホルモンが活性化した私は、見た目が豚おばさんのまま🐷 すっかり中身は乙女と化していました〓 母親にも優しく微笑みかけます。イケメンリーマンは、満足げに微笑んでいるように見えました。 イケメンリーマンの正体とは、“スーツを身に纏った天使”だったのです。 神様から命じられ、満員電車で、非モテ女にひとときのオアシスをくれる為に、地上に舞い降りた、神の使いだったのです。 後ろ姿を探しても、不思議なことに、もう彼の姿はありませんでした。 しかし、オチはこれだけでは済みません。 ふと目をやると、そこは渋谷。先ほど乗った駅も渋谷。 そう。なんと乗り過ごして一周回ってしまったのです。 やっぱり彼は、誘惑に抗えるかどうか試す、悪魔だったかもしれないなあと考えながら、茫然と立ち尽くしていました。
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