~始まりの詩~

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『お前部活辞めろ。』 それが、朝学校について久しぶりに部活に出た俺に対しての サッカー部顧問、遠藤(えんどう)からの第一声だった。 『………は??』 当然ながら普通、この言葉を言われたら発する言葉を言う俺。 『お前やる気無いんだろ?だから部活来ないんだろ?だから辞めてくれないか?』 頭を下げて一気にまくし立てる遠藤。 『頭下げんなよッ!普通生徒に頭下げる先生が居るか?』 『ここに居るじゃないか♪』 開き直る遠藤。 (……うわぁ…この人羞恥心とかないのかね。) 心の中で呟く俺。 『恥ずかしさなんて持ってたら先生という職業は出来ないのだよ。解ったかね…大輔(たいすけ)君?』 『解んねぇよ!ってか解りたくないし!!ってか先生良く先生になれたな…。』 どんだけ俺に突っ込ませる気だよ。 『もう良いや…。なんか先生と話してたら疲れた。』 朝から変なテンションに付き合わされ、疲れた身体を引きずりながら教室に向かう。 校庭の階段をのぼっていると後ろから遠藤の声が聞こえた。 『そうだ!大輔!!』 『………なんだょ~。』 疲れた声で聞き返す。 『はぃッ♪』 『??』 遠藤から渡された紙を見てみると… 『退部届け♪放課後までに書いといて?先生字を書くの苦手でさぁ。』 ……本当にコイツは、良く先生になれたもんだな? 『……はぁ~…。解りました。』 ここは潔く書いておこう。 これ以上疲れるのはゴメンだ…。 更に疲れた身体を引きずりながら玄関に向かっていく。
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