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『おはよ~。』
適当に挨拶をして自分の席に着く。
これ以上疲れるのはゴメンだからな。
【今日は朝から疲れたぁ…】
心の中でそんな事をぼやきながら伸びをするために廊下に出ると…
『危ない!どいてどいて!!』
『……へ?』
いきなりの事に反応出来ず、何かにぶつかり俺は吹っ飛ぶ。
『うわッ!』
『きゃッ!!』
二人同時に悲鳴を上げ腰を打つ。
『いってぇー!!』
今日は朝からついてないな…俺。
そんな事を考えながらぶつかった物を見る。
『あっ!!』
どうやら俺がぶつかったのはこの女の子らしい。
『いたたッ…。』
女の子は涙目になりながらお尻をさすっていた。
女の子の見た目は意外と可愛い感じの、《元気な娘》って言葉が似合いそうな仔だった。
『ごめん!大丈夫?』
女の子に手を差し出す。
『…ぃ…………み…………。』
女の子は肩を震わせながら小さい声で何かを言っている。
『え?…ごめん聞こえない!』
もう一度聞き返すと…
『廊下にボーッと突っ立ってんじゃないわよ!!通行の邪魔になるとか考えなかったの??あんた馬鹿?』
女の子はいきなり立ち上がり俺に詰め寄った。
『……は?』
いきなりの事に唖然となる俺。
『……は?……じゃないわよ!!やっぱりあんた馬鹿なんじゃない?』
『馬鹿馬鹿言ってんじゃねぇ!!そもそもお前がぶつかって来たんだろ?』
流石に俺も腹が立ち女の子にキレる。
『うわぁ~!居るよね、自分が間違った事してるといきなり逆ギレするやつ!あたしそーゆー奴大ッ嫌い!!』
『間違った事してねぇし!!ってかお前に嫌われて嬉しいから!お前みたいな、じゃじゃ馬女に好かれたいとか思わないしな!』
『ッ…!!』
女の子はいきなり瞳を潤ませる。
『………ヤバッ…』
時既に遅し。女の子は大声でなきはじめた。
『何、何?どうしたの?』
『あいつが女の子泣かせたんだって。』
『ヒッデェ~!浮気したんだろ!』
周りの教室からギャラリーが集まって来て、俺を指差し《女泣かせ》や《浮気男》と言っている。
『何事ですか!!』
あーあ…先生まで来たよ。
『大輔君が女の子泣かせました。』
雄介!いつの間に!
『大輔来なさい!』
先生に引きずられながら…
『泣くのは反則だろぉ~!』
廊下に俺の声が響き渡る。
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