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なんだかんだで放課後になり雄介と教室を出た。
『そーいやぁ…例の子のクラス解ったのか?』
『おうよ♪同じ学年だったみたぃだな。放課後は良く図書室にいるみたいだぞ?』
誰からか仕入れて来た情報を得意げに話す雄介。
『んじゃ、図書室に行くか。』
雄介を連れて図書室に向かいながら、ふと思った。
今更ながら逢って何を言えば良いんだ…?
なんて事を考えてる間に図書室に到着。
『いざっ!参ろうか♪』
軽快に図書室に入る雄介。
その後ろに続き俺も入る。
『おっ!』
何かを見つけ目を輝かせる雄介。
『どした?』
『いや…俺が好きなバンドが載ってる雑誌があったからさ。』
『紛らわしいなぁ…。』
『わりぃ!少し読んで良いか?』
しょうがねぇなぁ…。
『解ったょ。』
近くの椅子に腰を下ろす。
『ありがとうな♪大輔!!』
そう言って雄介も椅子に座り読み始める。
『……そういやぁ~雄介バンド好きだよな?自分でやんねぇの?』
『ん~?…一応ギターは家で弾いてんだぜ?』
雑誌を読みながら答える雄介。
『マジか!?お前弾けたんだ。初耳だし。』
『そういやぁー言ってなかったな…。楽器は良いぞ?なんて言うかー…弾いてる自分は自分であって自分じゃないみたぃな?』
『なんだそれ??(笑)』
楽しそうに話す雄介が、一瞬とてもカッコよく見えた。
それに…羨ましくも思えた。
『大輔はバンドやる気ないの?』
雑誌を読み終えた雄介が俺を見ながら訊いてきた。
『俺はー……微妙かな。』
内心、少し興味はあるんだが俺は手先が特別器用でもなく、なんと言っても買うのにはお金が要るのだ。
バイトをしてる訳では無い俺にとって楽器は高い代物だった。
『そっかー。もしヤル気になったらいつでも付き合うからな♪』
『解ったょ♪機会があったら頼むわ。』
そんな話しをしていると、近くの席から聞き覚えのある声が聞こえた。
『ん?………あ!』
声が聞こえる席を見ると、例の女の子が居るではないか。
どうやら雄介も見つけたようで俺の顔を見てにやけている。
『行くか?』
雄介に訊いてみるが、雄介は静かに首を横にふった。
『何でだよ。』
『良く見てみ??』
『あー、もしかして……彼氏?』
コクンっと頷く雄介。
『ドンマイ…大輔!』
慰めようと肩を叩いてくる。
『別に気になってる訳じゃないから。』
何でだろう。少しガッカリしてる俺が居た。
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