初恋 ~春の物語①~

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月日は流れ、六月。 宿泊学習が近づいていた。 「宿泊学習の班を決めたいと思います。」 先生の言葉で教室がざわざわと騒がしくなった。 やはり、くじ引き…。 誰となるのかなぁ。 私は、ある人を見た。 …聖を。 つい目線がいってしまう。なぜだろう。 つい意識してしまう。 こんな気持ち、初めてだった。 くじを引いた。 ③と書いてあった。 聖は何番かな。 ……って私、また聖のこと……好きに…………なっちゃったのかな……違うよね……そんなんじゃないよね……うん、きっと違う…!! 「さっきから何で俺ばっかり見てんの?」 えっ。やだっ。私ったら見すぎてたのかな。 「別に!!」 平然を装って言った。 なぜか心臓の鼓動が速くなっている。 ドクンっドクンっ。 私は下を向いて言った。 「何番だった?」 ドクン…ドクン…ドクドク…。 「⑤だよ。」 聖はまた無愛想に答えると、男子の集団のとこへ戻っていった。 …はぁ。聖と違う班だった。……残念だなぁ。 って、また聖のこと…。やっぱり好きなんじゃん。 えっ? 今日は頭冷やして、家でゆっくり考えることにしよう。
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