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月日は流れ、六月。
宿泊学習が近づいていた。
「宿泊学習の班を決めたいと思います。」
先生の言葉で教室がざわざわと騒がしくなった。
やはり、くじ引き…。
誰となるのかなぁ。
私は、ある人を見た。
…聖を。
つい目線がいってしまう。なぜだろう。
つい意識してしまう。
こんな気持ち、初めてだった。
くじを引いた。
③と書いてあった。
聖は何番かな。
……って私、また聖のこと……好きに…………なっちゃったのかな……違うよね……そんなんじゃないよね……うん、きっと違う…!!
「さっきから何で俺ばっかり見てんの?」
えっ。やだっ。私ったら見すぎてたのかな。
「別に!!」
平然を装って言った。
なぜか心臓の鼓動が速くなっている。
ドクンっドクンっ。
私は下を向いて言った。 「何番だった?」
ドクン…ドクン…ドクドク…。
「⑤だよ。」
聖はまた無愛想に答えると、男子の集団のとこへ戻っていった。
…はぁ。聖と違う班だった。……残念だなぁ。
って、また聖のこと…。やっぱり好きなんじゃん。
えっ?
今日は頭冷やして、家でゆっくり考えることにしよう。
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