幸せの破壊

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お父さんは愛夏に小さなヘアピンを投げた。 愛夏は慌てて受け取ろうとしたが寝ている愛夏は落としてしまった。 「愛夏、今日の入学式につけていってほしくて買ったんだ。今度、学校につけていってな。」 そお行って部屋を出た。 私はお父さんの後を追って部屋を出る。 「意味なかったなってヒドいんじゃない?」 私がお父さんに聞くと 「そうゆう風に言えばお前が部屋を出て私を追いかけると思ってな。」 と言った。 -ドクン- 心臓の音が大きくなる。 私は玄関先にあった大きなカバンを思い出す。 お父さんは話を始めた。 聞きたくない嫌な話を。 「愛音よく聞きなさい。 お父さんとお母さんは今日離婚する。 いや、正確に言えばやっと今日離婚するんだ。 裁判もやった。 お前たちの知らないところでな。 朝、母さんから名字が変わったことを聞かされただろう?」
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