幸せの破壊

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リビングに入るとお母さんが椅子に座っていた。 「愛音、おかえり。今日からしばらくは3人の暮らしだよ。」 と悲しそうに笑った。 私は聞いてはいけないと思いながら、でも思い切って聞いた。 「勝手に別れた理由は?」 お母さんは少し震えた。 「それじゃあとりあえずコーヒー入れてもらえる?疲れちゃって。」 -カチコチ- リビングにある愛夏お気に入りのハートの時計が時を刻む。 お母さんの前には砂糖たくさんのホットコーヒー、私の前には冷たいココア。 私は、なぜかこの時私の甘党はお母さん譲りだろうと思った。 お母さんは一口コーヒーを飲んでから話し出す。
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