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拓人が泣いてる。
「ねぇ拓人!?どおしたの?拓人!?」
返事がない。
すごく怖くなった。
拓人の泣いている姿なんて見たことがなかったから。
私は電話よりも直接会いに行った方が早いと思って玄関を飛び出した。
-リーンゴーン-
拓人の家の変わった音のチャイムを何回も押す。
出てきたのは拓人の一歳上のお兄さん、拓也お兄ちゃんだった。
「ねぇ拓也お兄ちゃん、拓人は!?
拓人が電話で泣いてたの!!」
私は拓也お兄ちゃんに詰め寄ったが、目的がすっかり変わってたことに気づき
「大和さんいる?」
しかし私の問いに拓也お兄ちゃんは答えてくれない。
拓也お兄ちゃんはしばらく黙ってた。
そしてゆっくり口を開いた。
「よく聞けよ、愛音。
親父は今いない。
母さんの病院に行った。」
…病院?
拓人のお母さん、さくらさんが?
「母さんが俺が学校に行く直前に倒れた。」
…病院?
拓人のお母さん、さくらさんが?
「母さんが俺が学校に行く直前に倒れた。」
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