幸せの破壊

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お母さんが病院の大和さんに電話をして拓人と拓也お兄ちゃんは家に泊まることになった。 拓人は小さな子供みたいに拓也お兄ちゃんのそばにピッタリくっついていた。 少し元気になった愛夏を抱っこして私はリビングに来る。 「愛夏、今日は拓也お兄ちゃんと拓人お兄ちゃんも一緒にご飯食べるよ。」 私の言葉に愛夏はスゴく喜んだ。 私は一緒に喜んでいいかわからないから、とりあえず笑っておいたがうまく笑えたかはわからなかった。 「拓也君、拓人君ご飯何がいい?」 お母さんが冷蔵庫をあけながら2人に聞く。 2人は少し黙る。 でも 「愛里ちゃん、俺とてもじゃないけど食えない。」 と拓人は小さな声でつぶやく。 愛里とは私のお母さんの名前。 拓人がお母さんのご飯を食べたがらないなんて珍しい。 昔からよく泊まりに来てた拓人はご飯のたびに 「愛里ちゃん、おかわりちょうだい!」 と言ってたのに… さすがのお母さんも戸惑ってる。
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