幸せの破壊

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すると、拓也お兄ちゃんが 「愛里ちゃん、お味噌汁飲みたい。」 と答えた。 そして拓人に向かって尋ねる。 「拓人~、味噌汁ならのど通るだろう。」 拓人と拓也お兄ちゃんは1つしか年が変わらない。 私と愛夏は7つも違うからケンカなんかしないけど、拓人たちは違う。 男の子の兄弟だから殴り合いしてもおかしくないのに私は2人が言い合いしてるとこすら見たことがない。 そのくらい昔から2人は仲が良かった。 拓人は何とかお味噌汁だけ飲んでお風呂に入って客間で寝てしまった。 お風呂でも泣いたのだろうか目がウサギのように真っ赤だった。 拓人の隣には遊んでもらえなかった愛夏が寝ている。 愛夏ズルい!! それにしても2人の寝顔、そっくりだなぁ… 私が2人を見てると拓也お兄ちゃんが近づいてきた。 「何、愛音もしかして愛夏にヤキモチ妬いてるの?」 とニヤニヤしながらきいてきた。 「~~~」 首をブンブン振る私。 「いや~顔赤いし~」 からかう拓也お兄ちゃん。その時、拓人がゴロンと寝返りをうった。 私よりは大きいけど拓人もクラスの中では小さい方だ。 だけど今の拓人は私よりも小さく感じた。 私と拓也お兄ちゃんは顔を見合わせて2階に行った。
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