幸せの破壊

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拓也お兄ちゃんは泣きまくる私の頭をそっと撫でてくれた。 どうして、ここにいるのが拓人じゃないの? 拓人…拓人 助けて でも拓人の方がずっと辛いよね? 弟だからか、私の前では強がっているけど本当は甘えん坊の拓人。 助けてあげたい。 両親が喧嘩しているとき、愛夏は毎日泣いた。 愛夏の前で泣けない私を拓人は学校帰りの公園で話を聞いてくれた。 -好きなだけ泣け、俺がお前を受け止める- 拓也お兄ちゃんがいる安心感からか、眠りに落ちそうになったとき、そんな言葉を聞いた気がした。 それでも私は睡魔に勝てず眠ってしまった。
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