幸せの破壊

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午前4時27分、さくらさんは病院で息を引き取ったそうだ。 拓也お兄ちゃんから伝えられた拓人はその場で泣き崩れた。 拓也お兄ちゃんの目も赤かった。 私もそんな2人を見てたらさくらさんとの思い出が頭に走ってきて、もう会えないと思ったら、気づいたら泣いていた。 「行ってきます…」 私は1人で学校に行く。 拓人はまだ泣いている。 拓也お兄ちゃんはお葬式などの準備で忙しい。 学校で担任がさくらさんが亡くなったことをクラスに伝えた。 教室がザワザワとうるさい。 だけどほとんどの人の目には好奇心が見えた。 私は下を向いた。 休み時間、くるみと横山君がきた。 「如月君、大丈夫なの?」 「拓人、抜け殻になってないか?」 私が何も言えず黙って下を向いてしまうと2人は申し訳なさそうな顔をして席についた。 放課後、1人で家に帰る。 なんだか足が重い。 ズルズルと体を引きずるようにしながら家に帰った。
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