幸せの破壊

2/29
前へ
/233ページ
次へ
ピリリリリ 耳障りな電子音から私の毎日は始まる。 「うーん」 思いっきり両手を上に上げて目を覚ます。 隣をみると愛夏が眠っている。 起こさないようにして制服に着替える。 今日から私、井上愛音(アイネ)は中学2年生だ!! 階段を降りると、ちょうどお父さんが会社に行くところだった。 「………」 目があったのに何も言わずに出て行った。 きっと会わせる顔がないのだろう。 簡単な朝食を食べてちょっと小さくなった制服を着て、髪を結ってるとき -ピーンポーン- 玄関のチャイムが鳴る。 ヤバい、あいつが来た… ドアを開けると桜の花びらが降りそそぐ道路にあいつが立っていた。 「たーくーと♪」 私は大声で呼ぶ。 「やっと来たよ~。待ちくたびれて腹減った。」 なんて言いながらあいつはニコッと笑った。
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加