6人が本棚に入れています
本棚に追加
マリアは友人の九条亮介と市内にあるファミレスにいた。
彼女はフリードリンクのカプチーノを飲んでいた。
「それで、何があったんだ。」
九条が訪ねた。
「亮介、この前言ってたよね。自分たちの事件が警視庁に横取りされたって。」
九条は頷いた。
「あれ何の事件だったっけ。」
「賭博だよ。関東の暴力団だった。こっちでも勢力を上げつつある連中だ。」
「あたしが捕まえた男だけど知ってる?」
「あぁ、連中の一味だろ。それがどうかしたか。」
「警視庁に取られた。」
亮介はそれを聞くと苦笑いをしてみせた。
「よくあることだ。」
「何であいつらが入ってくるわけ。」
マリアは持っていたフォークをホットケーキに突き刺した。
「あいつらはやりたい放題する奴だ。」
マリアは黙り込んだ。
何かがおかしい。これは刑事の勘というやつか。
いや、生まれつきのものだ。
この勘が外れたことはない。
九条がマリアの鼻先で手を振った。
マリアは目を丸くして彼を見た。
「大丈夫か。」
「ちょっと行ってくる。」
「どこに?」
九条が言ったがマリアは彼を残して店を出た。
最初のコメントを投稿しよう!