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マリアと悟は近くの喫茶店にいた。 捜査二課の九条も一緒だ。 彼女はまだ彼の話が信じられずにいた。 政府が犯人だって? そんな馬鹿な! でもそう考えれば辻褄が合うような気がする。 警視庁は政府が最も圧力を掛けるところだ。 もしそうだとすれば、彼らと暴力団には接点がある。 だが、何故政府は教授の研究を邪魔する必要があるんだろうか。 「地球温暖化について、何をご存知ですか。」 悟が訪ねた。 あまりに突然の質問だったのでマリアは戸惑った。 「何って、気温の上昇によって海面が上昇するぐらいしか。」 マリアは九条の方を向いた。 彼も同意見のようだった。 「では、その原因は。」 「人間が出す二酸化炭素の量。」 九条が答えた。 それを聞くと悟は人差し指を横に振った。 馬鹿にされている。 「それじゃ政府の思うつぼですよ。」 マリアの頭の戸惑いが更に増した。 政府の思うつぼ?どこが? 「連中は金の為にそう言っているだけです。それが良いかどうかはわかりません。ただ、その為に人を殺めるのは間違っています。」
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