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「ちょっと待って。どういうことなの。二酸化炭素の話は嘘ってわけ。」 悟は何も言わず頷いた。 その顔が冗談を言っているとは思えない。 「じゃあ本当の原因は。」 九条の質問に悟は戸惑いの顔を見せた。 「実ははっきりとしていないんです。」 マリアは顔をしかめた。 それを見た悟が話を続けた。 「いろいろな説があります。その一つが二酸化炭素の増加なだけです。」 「でもそれは嘘なんだろ。」 九条は訳がわからないという顔をして言った。 「ええ。そうです。」 「わからないな。二酸化炭素が増加する時に地球の気温が上昇しているのは事実じゃないか。」 九条の言葉に悟は首を横に振った。 「こう考えることはできないですか。地球の気温が上昇するから二酸化炭素が増加すると。」 「確かに。」 マリアと九条が同時に言った。 「現に、その二つの上昇時期にはズレがあります。気温上昇後、二酸化炭素が増加しています。これがこの説の問題点です。」 「なるほど。」 九条は腕組みをし、偉そうに椅子に深く腰掛けた。 もしこれが本当ならば。 マリアは考えを巡らせた。 政府は暴力団と組み、教授を殺害した。 それなら辻褄が合う。 そう敵は政府だ。
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