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第二の殺害現場は手前数メートルのところで黄色のテープに覆われていた。 今も一人の警官がその辺りを監視している。 マリアは警官に手帳を見せるとテープの内に入っていった。 その後ろを悟が追う。 准教授はここにいた。 マリアは泉の周囲を見渡した。 足元で光るライトがその場の雰囲気を出していた。 といっても、ここは殺害現場だが。 だがライトが目に入ったのは正解だった。 何か文字が書かれている。 『早川』 水で書かれているため字の端が滴っているが、しっかりそう記されていた。 悟もそれに気付いたようだ。 ライトに近付くと、それを眺めてから死体のあった方に目をやる。 そこからは十分に届く距離だ。 准教授が書いたものとすれば、この名は犯人を指すのだろうか。 だがあの暴力団員の名前は早川ではない。 犯人は別の誰かなのか。 マリアが文字を見つめていると悟が言った。 「どうしてここにいたんだろう。」 「えっ。」 「先生は僕の大学で勤務していたはずです。なぜここに。」 「あぁ。それについては私達もわかってないの。誰かに呼び出されたとか、それぐらいしか考えられないわ。」 「違う。誰かに会いに来たんだ。」
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