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突然、悟は部屋の本棚を探り始めた。
マリアと東は彼を引き止めようともせず、ただ様子を眺めていた。
悟は一冊の本を手に取ると膨大の資料が置かれた机に本を開いた。
アル・ゴア著 『不都合な真実』
著者はこの本によって、IPCCと共にノーベル平和賞を受賞した。
だが、これが事の発端となった。
マスコミは何も考えず、次から次へと嘘を報道する。
世界中の誰しもが地球温暖化を人間の出す二酸化炭素が原因だと考える。
これは科学でもなんでもない。
ある種の宗教と言えるだろう。
人々は嘘の情報に操られているだけなのだ。
「IPCCって何だ。」
東が聞いた。
「気候変動に関する政府間パネル。科学者の集まりのように聞こえるかもしれませんが、三分の一を政治家が占めていると言われています。」
「それで?」
東が促した。
「彼らは政治的目的で動いています。すなわち、真実を隠しているのです。彼らにとって不都合な真実を。」
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