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「そんな。」
マリアは消えそうな声を出した。
「もしそうだとしたら大問題だ。」
東が言い放った。
マリアはしばらく考えを巡らせた。
悟の意見は的を射ている。
全てに説明がつく。
もし、政府が絡んでいるなら我々に勝ち目はあるのだろうか。
マリアは理工学部棟を出ると携帯電話を取り出した。
「もしもし、調べて欲しいことがあるんだけど。」
相手は九条だ。
「面倒はごめんだ。」
「お願い。今度おごるからさ。」
「あぁ、わかったよ。で、何をすればいい。」
「警視庁のトップから暴力団に送金されたり、何か関わりのある証拠を調べて欲しいの。」
「はぁ。どういうことだよ。」
「いいからお願い。」
そう言うとマリアは電話を切った。
疑問が頭を駆け巡る。
本当に政府の仕業なのか。
そうだとして我々はどう対処すべきか。
今、巨大な壁にぶち当たったと感じた。
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