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不安そうだった八重の顔がほっとしたような表情になった後、申し訳なさそうな表情になった。 「ごめんなさい……朝日にあててあげようと思って私が下にもっておりて来たの。静香ちゃんの部屋あまり日があたらないから……驚かせちゃったわね……」 八重の言葉を聞き静香はほっとしたような表情を浮かべた。 「ううん、ちょっと嫌な夢みちゃって……だから余計動揺しちゃって……ありがとう」 八重は店の窓際に向かい月下美人の鉢を手にとると静香のもとへ持ってきた。 寂しそうな笑みを浮かべながら月下美人を見ながら静香に手渡す。 「今年はまだ咲かないわね……」 八重から月下美人を受けとると静香は壊れものを扱うように優しく、しかししっかり胸にかき抱くように抱き締めた。
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