生きとし生ける者へ

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† 娘はそっと窓を開け、そっと白い腕を外に伸ばします。 そこから見る景色に触れれないと、知っていても。 その腕に止まるのは、真っ白い鳩。 少し指先を動かしただけで、鳩は飛び去ってしまいました。 娘は少し顔をしかめました。 去っていく鳩の背に、兄の陽炎が見えた気がしたからです。 †
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