いつでもいっしょ

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いつでもいっしょ

ジリリリ―… 「ん…」 ガタッ 少女は、部屋中に鳴り響く目覚まし時計を眠気と闘いながら手探りして探した。 ようやく見つけると眠い目を擦りながら目覚まし時計の時間設定をリセットし、また眠りの中に入っていった。 「…ス―……」 そして少女は、少し不思議な夢を見た。 “アリス、おかえり。僕たちはいつでもアリスといっしょだよ。ずっとね…” 「んん―…」 【なんか不思議な夢を見てた気がするけど、思い出せない】 カチッカチッ ハッ 『あぁぁ―!!!』 少女は、時計の示す時間を見て勢いよくベッドから降り、急いで制服に着替え始めた。 『私のバカぁぁ。どうして、いつも目覚まし時計止めて寝ちゃうのよぉ…ぅう…』 ドタバタ、 「亜李子―朝ごはん、少しでいいから食べて行きなさい」 『…ぅ…うん。じゃ、行って来まーす!!!』 「行ってらっしゃい」 バタン… 少女は、朝ごはんを少し摘むとそのまま家を後にした。 『はぁはぁ、間に合うかな』 私の名前は、如月亜李子。何か変わった名前でしょ? でも、私は気に入ってるんだ。 この名前、一昨年…亡くなった大好きなおばあちゃんが付けてくれたんだ。 おばあちゃん、凄く優しくて私にいろんな事を教えてくれた。 そんなおばあちゃんが突然…この世から居なくなるなんて。 『考えもしかった…』 けど、寂しがったらおばあちゃんに失礼! 私はいつもおばあちゃんが言っていた“亜李子。貴方はいつも笑っていた方が可愛いよ。おばあちゃんね、亜李子の笑顔が好きなの。だから、亜李子。泣いちゃダメだよ…どんなに辛い事があっても笑ってるんだよ” この言葉を大切にして、毎日を楽しく過ごしてるんだ。 『はぁはぁ、もう少しで着く』 カーブを曲がると、そこには亜李子が通う学校“ローズ学院高等学院”がある。 バタバタ、 『はぁはぁ、間に合った…』
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