6.

2/2
前へ
/19ページ
次へ
あの日見た空茜色の空を ねえ君は憶えていますか 約束契り初夏の風が包む 二人寄り添った 無理な笑顔の裏伸びた影をかくまう だから気づかぬふり再生を選ぶ テーブルの上の震えない知らせ待ち続けて 空白の夜も来るはずのない朝も 全部わかってたんだ あの日見た空茜色の空を ねえ君は忘れたのでしょう 約束千切り初夏の風に消えた 二人戻れない 音も色も温度も半分になったこの部屋 今日も散らかしては揺れ疲れ眠る 「上手に騙してね嘘は嫌いで好き」 君の言葉今頃になって 気持ちは痛いほど だから僕らさようなら いつかまたねと手を振り合ったけど もう逢うことはないのでしょう 最後の嘘は優しい嘘でした忘れない あの日見た空茜色の空を ねえいつか思い出すでしょう 果たせなかった約束を抱いて 二人歩き出す _
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加