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予想以上にその日のSUN RIGHTは混んでいた。
おかまバーそんな中でも、ジェニファーはイの一番に友里のもとに駆けつける。
「今日はどうしたの?友里ちゃんらしくないわよぉ?」
青ヒゲをなぞりながら尋ねてくる。
「いいの。今日の気持ちは降下中。」
頼んだカシスソーダのジュースのような感覚を、舌で転がした。
ジェニファーちゃんが肩をこづく。
「ばっかねぇ。沈むぐらいなら、いい男うぉっちんぐ!でもしなさいよ。店内はよりどりみどりよぉ?」
と、顔をグイっとあげられる。
男で自分を慰めるのもいいかな、と考えた自分がいる
バーの二個隣の席に座る男。
よく見ると、涼しげな目元。強調しない口。整った鼻。かなりのいい男だった。
「あのぉ。一緒に飲みませんか?」
ジェニファーちゃんがくすくす笑っているのがわかる。
いいんだよ。少し自暴自棄。
呑んで抱かれていい夢を見よう。そう思った。
でもなんだか、見たことのある男だった。
「嫌。バイバイ。」
男はそう言った。
こっちに見向きもせずに。
衝撃は、1日では足りないらしい。
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