始まり

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会社に着いた。 必死で走ったせいか焦りのせいか、半端ない汗に迎えられた。 オフィス内に入ると、いきなり戸があいた社内が若干ざわめいた。 最初に話しかけてきたのは、後輩の戸田だった 「先輩、遅刻っすか?やっちまいましたねぇ~。」 と、いつもの鬱陶しい口調で話しかけてくる。 そんな戸田を無視して、部長のデスクの前にいく 「すいませっした!」 息が整ってないぶん、きちんと声はでなかったが、それでも深々と頭を下げた。 「ばっかやろう!んなこと言ってる間があったらさっさと構成を練りやがれ!」 頭が見事に禿げたメタボ狸が、怒鳴りつける。 「はい!」と返事をし、パソコンを起動する。 ぱっと目を上げると、戸田がニヤニヤしてこっちを見ている。 嫌な奴!これで仕事ができるならまだ許せるが、できないときてる!
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