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リサイティとの打ち合わせの日である。
夏とも春とも言い難い陰気な空に似合わぬ、陽気な戸田。
「ドキドキしません?あーやべぇ。」
と、若者言葉丸出しの戸田に、イライラしてやまない。
「もっと緊張感を持ちなさい!」と、何度も言う友里の手には、汗が握られていた。
辺りには、どこかしこに急ぐスーツ姿が、街を覆っていた。
何度か一人で打ち合わせしたことはある。それなりに慣れも持ち合わせていた。
それだけに、リサイティなどという大企業を相手にする資格を勝ち取れた。
戸田とくだらない問答をしているうちに、足を止める。
着いた。
そびえ立つビルは、ソーシャルワークスのそれを遙かに凌駕していた。
R.I.S
(株)RISERTY
とでかでかと石に掘られた文字が、友里の手に一層汗を握らせた。
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