第1話

4/32
前へ
/148ページ
次へ
「オッス、瑞樹久しぶりだな」 「なんだ、佑樹か」 「なんだとは失礼だな」 俺に声をかけてきた男は如月佑樹(きさらぎ ゆうき)と言って、1年のころから友達である。席が隣だったということもあり、それが縁で仲良くなったということだ。ちなみに、佑樹には双子の妹の有希(ゆき)というのがいる。当然佑樹の妹であるから、話す機会もあり有希とも仲良くなった。 しかし、双子で佑樹と有希なんて面倒臭い名前をつける親がいるものだ。 「俺よりも有希の方がよかったのか?」 「そうは言ってないだろ」 「それもそうだな。あんな奴に惚れる男がいる気がしねぇ」 そんな話をしていると当の本人が現れるというのがお決まりだが、そんなことも起こることなく、その後も佑樹とくだらない話や有希の悪口を言いながら学校に向かった。
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加