燃えないゴミ

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あの日いらい 池田はフッキレタらしく 意中の先輩の話をよくするようになった。 話をするだけならまだしも 写真を撮りにいかされたり、 チョコレートを渡しにいかされたり。 いつの間にか二人との間の 伝言係になっていた。 「じゃーコレ渡してきて」 「たまには自分で渡せよ~」 「これが最後だからお願い!」 「最後だからな、言ったからね!」 「ねぇ…返事きいてきて…」 最後と言った意味が やっとわかった。 中身の内容も だいたい想像がつく。 捨てちゃおっかな…。 焼却炉の前で 迷っていた。 音楽室から聞こえる吹奏楽が 耳障りに感じる。 気付いたときには 手紙を燃やしていた。
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