並行煩悩

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臭いからしてポマードであろう整髪料で固定した白髪の混じったオールバックで講義会場の舞台に腹を揺らしながら現れた半袖Yシャツ姿の初老の男性。 舞台の真ん中に設置された机の前に辿り着くと一礼し、マイクのスイッチが入っているか確認が済んだら演説を始めた。 「ハローハローハロー皆さん。今日もまた一段と暑いですね。まぁ冬なのにこんな暖房も付いていないのだから仕方はないと思うのですが。さて、早速本題へとぶっこみますがとりあえず僕が話すことは常識についてです。よく貴様等が使う強姦という言葉は昔はあまり日常に使われるような物ではありませんでした。それがどれほど昔なのかは知ったこったぁありませんがね。しかもこの言葉はなかなかどぎついイメージがあったみたいだよ?兎にも角にも信じがたい事だと思いますけどこれば事実ですのであしからず。ではなぜここまで昔の人と現代を生きる我々との価値観に差が生じるのでしょうか?答えは先程ちらりと登場させておいた常識ですね。常識とはどこにでもあり、時間進行に伴って変化していくものです。まぁこれくらいあなた方でもおわかりでしょう。昔は卑下されてきた物でも今は好かるようになったり、またその逆も然り。私はこれをとても面白く感じ、色んな時代の常識を調べました。中でも驚いたのは愛しあうのは男女が常識だった時代があるということですかねぇ。そして調べているうちに気づいたんです。」
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