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  それだけじゃないんです。 これはもっと私的な理由。 私、そこまで思いやりのある人間じゃありません。 先に生まれたって理由だけで弟を優先するような、そんな優しいお姉ちゃんじゃありません。   私にはやりたいことがあった。 ずっとずっと。 それだけを目標にしてきた。 でもね、進路決めの話し合いで母親と話した時に「ああ、無理なんだな」って悟ったんです。 何て言うんだろう… この辺で多分私、色んな意味で壊れたんじゃないかなぁ…と思わなくもないι   私がずっとやりたかったこと…というよりも生きる目標と言ってもよかったこと。 今思えば凄まじく考えが甘かった。 だから、母親に「遊び」と言われたことは今は仕方がないと思えるようになった。 でも、母親は言った。 勢いとかではなく、冷静に。 私は、きっとだから私は、前々からぼんやりと考えていたことがよりはっきりと鮮明になって、今でも一番引っ掛かってしまっているんだと思う。   何で私は居るんだろう。   そんなの不可抗力で考えても仕方がない。 だからこそ引っ掛かったまま解決することなんてないのだから。  
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