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「まぁ、たまにはこんなときもあるさ」
いきなり俺に励ましを受けてるのは電気工事の会社に勤める同僚で、根木人志(ねきひとし)32歳
「でもなぁ~あのクソババァ三時以降に来てくれって言うから、気を使って三時半に工事しにいったんだぜ~」
「だよなぁそれで30分の遅刻だって言って1時間もお叱りくらったんだろ?
でも、もう五回目だぜその話」
「だってよ~納得出来ねぇもん」
「わかったわかった
気晴らしに今晩飲みに行こうぜ、愚痴もそこで聞いてやるよ」
「お、モチロン拓ちゃんの奢りだよな?」
「はぁ?愚痴聞いてやるんだからネギの奢りに決まってるだろ?」
「……スミマセン割り勘で」
「しゃーないなぁ」
「じゃ仕事あがったら一旦帰って、ひとっ風呂浴びてから拓ちゃんに電話するよ」
「おっけー、じゃ仕事片付けちまおうぜ」
まぁこんな感じでこの日もネギと飲みに行くことになった。
「お父さんお帰り」
「おかえりー」
「だだいま」
俺には子供が二人いる
下の子は慶(けい)5歳の男の子で甘えん坊
普段はお姉ちゃんにべったりくっついてる
お姉ちゃんの方は真琴(まこと)12歳
母親は……
三年前に男とにげちまった
お陰で真琴が家事から慶の面倒までやってくれるスーパー小学生に成長した
真琴スマネェ早く新しい母ちゃん見付けるからな
「ゴメン真琴、今日ネギと飲みに行くことになったから」
「え~!?」
「お土産買ってくるから、な?」
「仕方ないな~早く帰ってきてよね。
あとお土産はロールケーキにしてね」
「わかった
ありがと真琴」
♪~
「お父さん電話だよ」
~♪
『拓ちゃんそろそろ行こうか?』
「おぅ、すぐいく~。…じゃ真琴あと頼むな」
「行ってらっしゃーい…あ、ロールケーキね~」
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