52人が本棚に入れています
本棚に追加
「誰ですか、貴女は。」
ジェイドの槍の矛先は、その天井近くの女性と向かった。
しかし、その女性はたいして怖がる様子もなく、フワリと地面に着地した。
「アンタは・・・・。」
「初めまして、アズサ。」
誰かを思い出すようなマロンペーストの長い髪。
色素の薄いサファイアブルーの瞳。
そっか。
彼女は・・・
「はじめまして、始祖、ユリア・ジュエ。」
私の呟きにユリアはにこやかに微笑んだ。
「ごめんなさいね。どうしても貴女に協力してもらう必要があって。」
ユリアはすまなさそうに言った。
「ユリアが・・・・私をよんだのか?このオールドラントへ。」
えぇ。
と彼女は頷いた。
何故?
私はそう言いかけたが、ユリアがいきなり真剣な顔つきになったので、黙った。
「お願いよ、アズサ。未来を変えて。私の預言を覆して。」
「ユリア・・・・。」
ユリアは必死にそう言った。
未来を変える?
預言を覆す?
それを私に?
「無理だよ。私は無力なんだ。」
「力ならあるわ。貴女は、私とローレイの両方の力を受け継いでいるの。聖なる焔の光達と同じで、超振動を起こせるし、譜術も使える。
私の子孫と同じで譜歌も歌えるわ。」
え。
なにそれ。
私、ローレライとユリアの意志を受け継いでるわけ?
うわぁぁぁああ!!
にわかに信じがたいわっ!
最初のコメントを投稿しよう!