一章:海上都市と青の大佐

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「アズサ・・・・。貴女にしか出来ないのよ。お願い・・・・。世界を、未来を救って・・・・。」 ユリアの体がブレ始める。 え。 そんな、ちょっと待ってよ。 そんな急に。 「貴女の事は皆の記憶を改竄して、そこの大佐の幼馴染みにしておくわ。後はどうにかなるでしょう。」 そんな、勝手な。 ほら、ジェイドだって固まってるじゃないか! 「またね、アズサ。」 ユリアは手を振って消えた。 「おい、こら!待ちやがれぇぇぇえ!!」 私の絶叫は、牢屋に虚しく響いた。 ユリアへの怒りを抑えつつ、私はジェイドへと目を向けた。 ジェイドは無言で私を繁々と見つめていた。 「アズサ・・・・。」 そして、そう呟いた。 馴れ馴れしく呼ぶ仲じゃないはずなんだが? 私はさっきのユリアの言葉を思いだし、言った。 「おい、ジェイド。言っておくが、私はお前の幼馴染みじゃないからな。 お前の幼馴染みはピオニー陛下とサフィールだからな。」 私はそう釘を差した。 するとジェイドは狼狽えるように言った。 「分かってるんです、そんなことは。 しかし、さっき貴女が始祖ユリアと呼んだ女が言ったように、私の記憶が改竄されたようで・・・・。 幼い頃の記憶にいつの間にか、アズサという女の子が出てきてるんですよ。」 ユリア・・・・。 あんた、なんてことしてくれたんだよ。 事態がややこしくなってきた・・・・。
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