一章:海上都市と青の大佐

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それは此処が牢獄だと知ったからじゃない。 それよりも。 私は目の前の人物を知っていた。 そして此処が何処だかも分かってしまった。 それに吃驚だ。 「なぁ、<<死霊使い>>。」 私は、ジェイド・カーティスと名乗った軍人に、そう呼びかけた。 カーティス大佐は直ぐに振り返り、私を見た。 その顔に浮かぶは驚き。 あぁ、そうだろう。 私は仮にも異世界の人間だ。 その異世界人が何故、自分の二つ名を知っているのだろう。と思ったんだろ。 私だって、知りたくもなかったし、呼びたくなかった。 一生、誰かをこの呼び名で呼ぶことはないと思っていた。 でも、私は分かってしまったから。 「ジェイド・カーティス大佐。 <<死霊使い>>ジェイド。 そして・・・・、フォミクリー研究の第一人者、ジェイド・バルフォア博士。 どれも、アンタの名前だろ?ジェイド・・・・。」 私がそう締め括ると、ジェイドはコンタミネーション現象によって体の中に隠されていた槍を構えていた。 「貴女・・・・何故私の・・・・。」 低く、少し震えた声でジェイドは言った。 私はそれに答えない。 それどこじゃないから。 此処はグランコクマ。 つまりオールドラント。 だから、私は。 「アビスの世界にトリップしたんだ・・・・。」 その結論に達した。
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