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彼女は店の中をキョロキョロと見回すと、ウェイターと一言二言話し、こっちに歩いてきた。
「あはっ! あなたが山田さんですか?」
近くで見るとより少女の幼さがわかる。特に胸が……。
(ビンゴかよ、ガキじゃん……)
「はじめまして、えー……山田太郎(やまだ たろう)って言います。えーと……名刺はないんですけど、葵さんですよね?」
「はい、そうです。……山田さんて想像してた感じと違うんでびっくりしました。事務所の人って皆佐伯さんみたいな人だと思ってたんで……あ、初対面なのに失礼でしたね」
ここいいですか? と葵は山田の向かいの席に座ると、注文を聞いてきたウェイターにコーラを頼んだ。
「いや、気にしないで下さい。むしろ佐伯さんみたいなオッサンで想像通りですって言われた方が傷つくんで。
えー……それでさっそく依頼の件なんですが……」
「あ、あの……その前に確認したいんですけど……、あの……本当にこの世界に幽霊とか妖怪っているんですか?」
聞きづらそうに葵が山田から視線を外して小声で問いかける。
「います。……っていうか、そっち関係だからうちに依頼して来たんじゃないんですか?」
「そ、そうなんですけど……」
気まずそうに自分を見てる葵に、山田は小さくため息をついた。
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