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幸せの次に待つものは、不幸らしい。
彼女の体温が体に残っている翌朝、まだ眠っている舞にキスをし、仕事にでかけた。
今日も彼女がいると信じ込み、手土産に舞の好きなケーキを片手に上機嫌で帰った。
「ただいまー。」
明かりがついているかも確認せず、鍵をあけた瞬間言った。
が、まだ彼女は帰ってはいなかった。
「なんだ…まだ帰ってないんだ。」
冷蔵庫にケーキを入れながら、違和感を感じた。
扉を開いたまましばらく固まり、バッ!と振り返った。
「…………!!」
ショックで言葉が出なかった。
ものが…ないのだ。掛け時計、ぬいぐるみ、洋服、帽子、MDラック。舞の持ち物すべてがなくなっていた。
狭い部屋だ。すぐに何がなくなっているかわかる。
「なん……で。」
口元に手をあてたまま、その場に崩れ落ちた。
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