始まりは・・

13/16
前へ
/16ページ
次へ
どんなに辛い事があっても、人間働かなければ生きていけれない。 毎日毎日、舞がいなくなった現実を突き付けられ、辛かった。 あの後すぐに電話をしたが番号を拒否されており、部屋を訪れても姿を見せてくれなかった。 「こんな事なら……きっぱり別れを言えばよかった。」 もう駄目な事ぐらい分かっていたのに。彼女の心がもう自分に向いてない事ぐらい、気付いていたのに。 「馬鹿みたい。」 思い出される桜の言葉。 「ほんと…馬鹿だな。」 壁にもたれながら皮肉な笑いをもらした。 ぴーんぽーん すると、唐突にチャイムがなった。 インターホンからは、さっきまで頭の中で話しかけていた桜の声がした。 「お知らせがあるの。」 力無く立ち上がり、扉を開けた。 「なに?」 「今、あんたの彼女、あいつと同棲してるよ。」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

173人が本棚に入れています
本棚に追加