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どんなに辛い事があっても、人間働かなければ生きていけれない。
毎日毎日、舞がいなくなった現実を突き付けられ、辛かった。
あの後すぐに電話をしたが番号を拒否されており、部屋を訪れても姿を見せてくれなかった。
「こんな事なら……きっぱり別れを言えばよかった。」
もう駄目な事ぐらい分かっていたのに。彼女の心がもう自分に向いてない事ぐらい、気付いていたのに。
「馬鹿みたい。」
思い出される桜の言葉。
「ほんと…馬鹿だな。」
壁にもたれながら皮肉な笑いをもらした。
ぴーんぽーん
すると、唐突にチャイムがなった。
インターホンからは、さっきまで頭の中で話しかけていた桜の声がした。
「お知らせがあるの。」
力無く立ち上がり、扉を開けた。
「なに?」
「今、あんたの彼女、あいつと同棲してるよ。」
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